なぜ起こってしまったのか・・京都アニメーションの放火事件【死傷者多数】
一人の狂った男の放火によって、34名もの尊い命が奪われてしまいました。
悔やんでも悔やみきれません。
なぜ、こんな凶行を許してしまったのか?
なぜ、未然に防ぐことができなかったのか?
この事件が現実だと思いたくありません。
京都アニメーションの作る作品は僕も大好きです。いずれの作品も、すごく丁寧に作りこまれていて、作る人たちの「作品を楽しんでもらいたい」という純粋な思いが伝わってきます。
そんな作品の制作にたずさわってきたスタッフさんたちの命が、たった一人の狂った男によって奪われてしまいました。
あのシーンを描いてくれた人は、もういないかもしれない。
あの話の脚本を書いてくれた人は、もういないかもしれない。
・・・。
言葉につまります。
事件を知った当初は、「犯人もここまで被害が大きくなるとは思っていなかったのかもしれない」と思いました。でも、およそ40Lのガソリンを購入したとの話。殺意がなかったということはありえません。
そもそもなぜ、犯人はガソリンを購入することができ、しかもそれをスタジオ内に持ち込むことができたのでしょうか?
誰でも簡単に購入出来てしまうガソリン
犯人は「発電機 に使うから」と言ってガソリンを購入しています。
実は専用の携行缶があれば、ガソリンは簡単に買うことができてしまうのです。
セルフでは給油できないという縛りはあるものの、従業員による給油なら60Lまで携行缶に入れて買うことができます。身分証の提示も特に求められませんし、用途についても聞くことが義務になっているわけではありません。
災いした 吹き抜け構造
京都アニメーションの第一スタジオは 3階建てで、吹き抜け構造となっており、スタッフ同士がコミュニケーションを取りやすいように壁の少ない作りになっていました。1階で起こった火災による煙が広がるのに1分ほどしかかからなかったといいます。
たった1分では逃げることはできません。おそらく1階部分に不審者がいるという情報があり、多くのスタッフさんが屋上に逃げようとしたのでしょう。3階から屋上へ出る扉は施錠されていなかったにも関わらず、誰も屋上に出ることができず、扉の前の階段に折り重なるようにして亡くなっていたとの話です。
防犯上の問題
たとえどんなに怪しかったとしても 、何もしないうちから一般人が不審者を建物の外につまみ出すことはできません。できるのは「立ち入らないで下さい」と、注意喚起するところまでです。それ以上は警察の仕事。
少し常識力のある方なら、他人の体に触れただけで暴行罪に疑われることがあるということはご存知なのではないでしょうか。そうでなくても、怪しい人に立ち向かうことは、なかなかできることではありません。
不特定多数の人が出入りする 商業施設においては、警備員が常駐しているケースも少なくありませんが、 関係者以外は 立ち入らないオフィスにおいては、警備員を雇わないのが普通です。
仮に雇うとしたら日中だけでも1日あたり約2万円のコストがかかります。1ヶ月に換算すると約 60万円になりますので、なかなか雇えるものではありません。
また、普段は IDがなければ中には入れない仕組みになっていたそうですが、事件当日は社外から来客があるということで、誰でも入れるようになっていたとのことです。
これは偶然でしょうか?「事件数日前から現場近くで 犯人を見かけた」という目撃証言があることから、犯人は中に入れる隙を伺っていたものと思われます。
まとめ
今回の事件は防ぎようがなかったと思います。ガソリンの購入が容易で、建物の構造も放火に対して脆弱。防犯設備も無力でした。
せめてガソリンの購入だけでも簡単にはできないように、早急に法整備をして欲しいものです。模倣犯が出てからでは遅いですから。このような痛ましい事件は、二度と起こしてはなりません。
亡くなられた京都アニメーションのスタッフさんたちのご冥福と、現在、治療をされているスタッフさんたちの一日も早い怪我の回復をお祈りいたします。