勝手な指示を出す古参の部下への対処法【新米管理職の登竜門】
古参の部下に勝手な指示を出されて困ったことはありませんか?
例えば古参の部下Aと新人Bがいたとき、新人Bに対して出した指示を古参の部下Aが勝手に変更するというようなケースです。
多くの場合、確証があるわけではありません。指示が守られていなかったとき、普段の仕事の様子から何となく「そういうことだろう」と察しがつくという程度の疑念です。
確かにAは業務経験が豊富かもしれませんが、もし本当に勝手な指示を出していたのだとしたら、見過ごすことはできませんよね。
これは組織人として大切な「報連相(ほうれんそう」以前の問題です。判断に迷ったときは上司に報告・連絡・相談するのが鉄則。にも関わらず、それができないばかりか、指示を曲げてしまうというのはあり得えないことです。
でも、新しい配属先に責任者として赴任したばかりのときや、同じ部署で昇格したときには起こり得ます。上司部下の人間関係が構築されておらず、甘く見られているということもあるでしょう。平たく言うと「ナメられている」ということです。
ではどうすればいいのかと言うと、
「上司の指示を守らなかった新人Bを叱りつける」
というのが正解です。
勝手な指示を出した古参の部下Aは無視しして構いません。証拠があるわけでははありませんし、はっきりしている事実だけ見てみれば、何もしていないのです。
新人Bに問いただすという犯人探しのような行為も止めておいた方が無難でしょう。なぜなら、仮にそれが事実であったとしても、部下を疑うような上司には誰もついて行こうとしないからです。
上司の指示は絶対であることを教育する
上司と古参の部下A、つまり先輩との板挟みになった新人Bを哀れんではいけません。
例えば「コイツがAに逆らえるはずもないな。仕方がないから今回は目をつぶっておくか」などと甘いことを考えていては、事態はいつまでたっても改善しません。
上司の指示は守るのが当たり前。それができず、Aの口車に乗ってしまったBが悪いのです。
それにAがBに勝手な指示を出したという証拠もありません。まずいと思ったらAは知らぬ存ぜぬを決めこめば良いだけの話。事実かどうかも分からないことで頭を悩ませていても仕方がありません。ハッキリしているのは、Bが上司の指示を守らなかったということだけです。
勝手な指示を出した古参の部下への対処
憶測だけで本人を追求してはいけません。
でも、誰もが納得するような動かぬ証拠があるときは指摘するべきです。勝手な行動を黙認するというのは、それに許可を与えているのと同義ですので。
とは言っても、古参の部下にもやる気を持って仕事をしてもらわなければ困りますよね。なので、やり方には新人以上に配慮してあげる必要があります。
1対1で、なぜそうする必要があるのか理由もキチンと説明して、改善を促しましょう。他の社員の前で叱りつけるなどというやり方はNGです。
「指示を守らなかった部下を許さない」
というスタンスを貫けば、古参の部下も勝手な指示を出さなくなって行きます。なぜなら、誰も彼の言うことなど聞かなくなるからです。役職上で上の立場にある人間が、やはり絶対的に強いのです。上司に怒られるのが分かっていて、先輩の勝手な指示を鵜呑みにするバカはいません。
部下の水面下の活動は気にするだけ無駄
いろんな政治力を使って自分の発言力の拡大を画策する面倒な人もいますが、こういう活動にいちいち干渉する必要はありません。大体そんなに暇じゃありませんよね。
会社は利益を追求するための組織。売上が伸びればそれで良いわけです。将来的に見ても水面下の勝手な活動が無害なようなら、あえて知らないフリを決め込むのも1つの手。売上向上につながるのなら、「どんどんやれ」と推奨するものも良いでしょう。
「その件はお前に任せた。好きにやれ。ただし、ケツは持ってやる」
そんな感じです。
まとめ
上司の指示は守るのが当たり前ですが、ときには疑問を感じることもあるでしょう。でもそんなときは上司にたずねるのが筋であって、勝手に変えるべきではありません。むしろ率直に意見具申すべきです。それがそうならないことがある所に、管理職の苦悩があります。
指示を守らせることは大切なことです。そしてそれと同じくらい、部下の意見を聞くことも大切です。「いいから言うこと聞けよ」という態度では、何も言ってもらえません。
部下が「これってマズイんじゃないかな」と思ったときに、「知るかボケ」と機械的に業務をこなすだけにならないよう、人間関係の構築にも配慮しましょう。