なんで「定額制」じゃなくて「サブスクリプション」って言ってるの?意識高い系?
語源から言うと「サブスクリプション」というのは「定額制」のことなんですが、
「サブスクリプションと定額制を一緒にするな!」
みたいな意見がチラホラあるんですよね。ただでさえ「サブスクリプション」ってわかりづらいカタカナ英語なのに、直訳したら「違うよ!」と言われる始末。もう頭がクラクラしてきます。
でもまぁ、確かに最近注目を集めている「サブスクリプション」と従来の「定額制」って毛色が違いますよね。区別したくなる気持ちもわかります。
じゃあ何がどう違うのか?
もう少し掘り下げて考えてみたいと思います。
サブスクリプションには付加価値がある
サブスクリプションに参入している業種は、
- 書籍
- 音楽
- 映画
- 飲食
- 服飾
- 家
- 車
などなど、かなり幅広いです。書籍ではKindle Unlimited、音楽ではApple Music、映画ではNetflixが有名ですね。今まで実際のモノを買うのが当たり前だったのが、定額で読み放題、聴き放題、観放題。楽しい世の中になったものです。
驚きなのは、飲食や服飾、家や車もサブスクリプション化していることですね。
飲食ではCAFE PASS加盟店が、月額4860円でコーヒーを30杯まで飲めるサービスを提供しています。
服飾ではMECHAKARI。月額5800円で洋服借り放題な上にクリーニングの必要もありません。
家はADDressが2019年4月から、月額4万円で11拠点に住み放題というサービスを開始。
車はNORELだと月額39800円〜で、3ヶ月ごとに色んな車に乗り換えながら自家用車のように乗り放題です。
ここまでくるとモノを買うよりサブスクリプションのサービスを利用した方が良くなってきませんか?
サブスクリプションにはモノを買うよりも得だと思わせるような付加価値があります。
従来の定額制とサブスクリプション
従来の定額制のサービスとしては、定期券や新聞、N○Kなどがあります。毎月決まった金額を払ってサービスを受けるという、ごくごく普通のシステム。真新しくも何ともありません。
書籍や音楽、映画など、ネット配信が可能なコンテンツに関しては、早くから定額制のサービスが立ち上がっていましたが、なかなか市場規模を拡大できませんでした。せいぜいがレンタルショップ止まり。著作権が大きな障壁になって作品数をそろえられなかったんですよね。それが最近になって崩れてきたわけです。最近はゲームもサブスクリプション化し、注目を集めています。
まとめ
結局、「サブスクリプション」というのは、意識高い系の人がカッコつけて「定額制サービス」をわざわざカタカナ英語で言ってるだけな気がしないでもありません。
しかし、従来の殻を破って色んな業種に拡大していくうちに、別種のものに発展しているようにも思えます。
大きな違いは発想方法です。
従来の定額制の発想は出発点がモノであるのに対し、サブスクリプションは顧客のニーズから発想を展開させています。つまり、モノではなくサービス自体が商品というわけです。
例えば家のサブスクリプションを利用したい顧客は、家が欲しいわけでも、単に借りたいわけでもありません。色んな場所に、色んな家に住みたいわけです。
車のサブスクリプションもそう。車を買うお金はないけど、色んな高級車に乗りたいという人は少なくないはず。そこで車を買わせるのではなく、色んな高級車に乗る権利をサービスとして提供しているのです。
こう考えると、「サブスクリプション」と「定額制」は、もはや別物なのかもしれませんね。