できない理由は無視していい【夢を実現するもの】
たまにスマートフォンが出てきた当時のことを思い出すことがあります。
もう20年近く前になると思いますが、当時は「こんなもの誰が買うんだ?」というようなしょっぱいものでした。「無駄に高機能」そんな印象です。
電話なのだから通話機能メールなどが使えればそれでいいと僕も考えていました。今でもそんな発想でガラケ使ってる人いますよね。パソコン的な機能はタブレットやノートパソコンがあることだし、そちらの方がずっと使い勝手がいいわけです。中途半端なものはいりません。
それに、機能を詰め込めば詰め込むほど値段が高くなっていくわけで、だったらもっと安い方が良いのではないか考えるのが普通です。結局、当時の僕は「スマートフォンはいらない」という思い込みにとらわれていました。
しかし実際には爆発的に普及しています。
スマートフォンが普及する前は、「スマートフォン=電話」という発想が主流を占めていたかと思います。
しかしスマートフォンが普及するきっかけにもなったiPhoneは、おそらく電話ではなく小さな情報端末と言う概念から生み出されています。つまり、電話に何か機能を加えて行くのではなく、実際はその逆で、電話以外のものに電話の機能が付属している全く新しい製品だということです。
スマートフォンの高機能化はあまりにも急でした。いきなりポンと、今のスマートフォンに近いものが市場に現れたのです。
スマートフォンは機能的には小型パソコンです。
デスクトップパソコンが主流だった頃から、小型パソコンの夢については語られていましたが、「まさかこんな形で登場するとは・・!」と驚かされたの覚えています。
普及のネックになるのはコストだろうと思っていましたが、電話契約の中に飲み込まれてしまいました。
スマートフォンはあまりにも便利で、私たちの生活を一変させました。この原動力は「こういうものが欲しい」という欲求です。出来ない理由よりも、実現するためにはどうしたらいいだろうという発想が生活を変えたのです。
考える順番としては結論ありき。
実現までの過程は無理やり現実に合わせて行く。
そういう強引さがあります。これは今話題になっているMaaSにおいても同じことが言えるのではないでしょうか?
自動運転車については必要とされる機能はすでにはっきりしています。必要なシステムもまだ実現していないにせよ、すでに大枠ははっきりしており、完成形は既にあって、それに現実を合わせている段階です。
できない理由を一つ一つ潰していくことも必要かもしれませんが、この発想では時間がかかりすぎます。
少し前に話題になった量子コンピューターについても「こうだったらいいな」という姿は既にあります。そして技術者たちはその欲求に応じて開発を進めています。
これらのことを考え合わせると、夢の実現に必要なことは「自分がどうありたいか」というビジョンをはっきりさせることであり、細々とした「出来ない理由」について考えることではないということが言えます。
結論がはっきりしているものは、現実を無理やりそれに合わせて行く発想が大切です。