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「将来の夢はなんですか?」という質問がニートを量産する

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「将来の夢は何ですか?」

子どもたちが親や学校の先生から何度となく言われるこの言葉。悪くはないのですが、何かが足りないと感じてます。

小学生のうちは、ただ漠然と自分の将来のことを考えて夢を膨らませるのも良いかもしれない。でも、高校生になったらもう考えないといけないですよね。

「将来の職業は何か」

もっとストレートな表現をすると、

「将来、何でお金を稼ぐのか」

ということ。

 

働いていない若年層

自立した大人にとってお金を稼ぐのは当然のことです。でも現状、子どもたちにその教育をしていません。知らないままに就職しないといけない年齢が迫ってきて、そこで始めて真剣に考えさせられるというパターンが多いのではないでしょうか。

そして、「お金を稼ぐ」という観念が乏しいまま大人になってしまった子どもたちがニート化して行きます。

その結果が下のデータ。

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参照元:総務省「労働力調査」

 

25〜34歳で働いていない層が32万人もいます。これは本人たちだけの問題ではないでしょう。

 

職業体験だけでは足りない教育

今はどこの中学校でも「職業体験」という教育プログラムがあります。地元の企業に協力してもらって、生徒たちを実際に働かせるというもの。行き先は図書館やファミレス、カフェ、スーパー、工場などさまざまです。

でも、ここで得られる経験は「働く」というところまで。給料をもらうわけではありません。将来子どもたちに必要なのは「お金を稼ぐこと」です。そして問題なのは、

働く=お金を稼ぐ

ではないということ。ニーズのない仕事をしていても、たくさんのお金を稼ぐことはできません。逆に働かなくてもたくさんのお金を稼ぐ方法もあります。資産運用がその代表格。

働けばお金が貰える

というのは安易な考え方です。お金を払う価値のあるものに対して、報酬が発生します。

この当たり前の原則を教えていません。

 

お金を稼ぐのは悪いこと

時代劇がわかりやすいと思うのですが、例えば「水戸黄門」では、お金を稼いでいるのはお代官様とつるんでる越後屋などの悪い商人です。「暴れん坊将軍」もそう。刑事ドラマもそうです。悪徳企業の社長や借金取りなど悪い人ばかり。

物語としては面白いですし、実際、お金に執着する人はロクなものではないとも思います。でも、内容が偏りすぎてるとは思いませんか?

「お金を稼ぐ悪い人」と同じくらい、たくさんの「お金を稼ぐ良い人」を描く物語もあって良いと思います。

「お金を稼ぐ悪い人」vs「お金のない善良な人」

この構図が実に多い。

 

小さい頃から「お金を稼ぐ悪い人」をテレビで観続けた人が、将来どんな価値観を持つようになるかは自明でしょう。

お金を稼ぐことよりも、やりがいが大切だ!

お金を稼ぐことよりも、夢を追いかけることの方が素晴らしい!

こんなことを言うようになるのではないでしょうか。

「やりがい」も「夢を追いかけること」も確かに素晴らしいことです。でも、それと「お金を稼ぐこと」を切り離して考えるの問題アリです。

 

夢に現実味のない子どもたち

「プロ野球選手になりたい」という夢はまだわかります。多くの子どもたちが実際に野球をやりながら、プロを夢みて頑張ってますから。頑張り続ければ、最悪プロになれなくても、スポーツ推薦で大学に進学し、体育の先生になるなどの道も開けるでしょう。

でも違和感をおぼえるのは、例えば「ゲームプログラマーになりたい」と夢を語りながら、1つもゲームを作ったことがなかったりする子どもたち。

何となく気持ちはわかりますが、「作ろうと思えばもう作れる」という現実を教えている大人たちがどれだけいるでしょうか。

大抵の大人は「だったら良い学校に行けるように勉強しなさい」と言うだけでしょう。このアドバイスは夢につながりますか?

 

まとめ

「やりがい」も「夢」も「お金を稼ぐこと」が大前提で、必要不可欠です。まず自立して生活費を稼がなければ生きて行けません

また、どんなに勉強したとしても、知識自体がお金を生み出すことはありません。

逆に「お金を稼ぐこと」にだけフォーカスしてみても、お金の価値がわからない子どもたちに将来に対するやる気を起こさせるのには無理があります。

自分がやりたいと思ってることと、それをどうやってお金に転化するか知恵を絞ってその手段を考えることは、車輪の両輪のようなものです。